新年あけましておめでとうございます、店長です。
のっけからパソコンネタです。(パソコン便利屋なんで…)
でも、当店がずっと訴えている『より使いやすいパソコン』をご提案する為の要素の1つ「使いやすいOSはどれ?」というテーマで私は日頃からチェックしているのですが、年末年始のお休みで試してみたオススメOSについてお話しさせて頂きます。
では早速・・・
さて、今回試して見たOSはパソコンでスマホやタブレットで有名なAndroid OSが動作させられるという”Remix OS for the PC”と、私が普段ノートPCで使っているLinux OSの1つのディストリビューションである”Ubuntu”の流れの1つである”ZORIN OS”の2つです。
まずは”Remix OS”から。
”Remix OS”はスマホやタブレットでよく使われているARMと呼ばれるCPU系とは異なるパソコンのスタンダードであるIntel系のCPUに適応させたAndroid OSで、バージョンは最新の6.0です。
インターフェースは使い慣れたAndroidでありながらパソコン用にマルチウィンドウに対応していますし、ファイルマネージャーなども標準でアイコンが作られているのでWindowsに慣れた人でもさほど違和感なく使えるという点でとても面白いですね。
しかも、Google Playに対応しているので”Gmail”のアカウントを持ってさえいればスマホのゲームなどもパソコンで楽しめるという訳ですからとてもお得な感じがします。
さて、このRemix OSはこちらからダウンロードが可能で、ダウンロードしたisoファイルをDVDーRに焼いてインストールすることになります。
このRemix OSも他のOS同様に32bit版と64bit版があり、インストール対象のパソコンのCPUで選ぶ事になります。
私の場合、インストールするのはLenovoのThinkPad T60でCPUがCore2duoで、64bit命令セットに対応している筈なので64bit版を使いました。
今回の『OSお試し』では中古の500GB SATA HDDを使いましたが全くの未フォーマット状態の為、インストール時に『領域確保』や『フォーマット』を行う必要がありますが、他の方が手順をブログに書いていらっしゃるので、それも参考にさせて頂きながら進めて見ました。
長いので途中の経緯は端折りますが、私のThinkPadではうまくインストールできませんでした。残念。
いや、インストールは出来た(「インストールが完了しました」と表示されている)のですが、いざ再起動してHDDから起動しようとすると無言状態に陥ってしまってウンともスンとも言わなくなってしまうのです。
どうやらHDDの領域確保とフォーマットの際にシステムが入っているパーティションをBoot属性にする必要があるのに、そうなっていない(インストーラ付属のツールではどうやれば良いのかがわからなかった)事に原因がありそうです。
但し、インストール完了直後に再起動するのかすぐにOSを使うのかを選ぶ事ができるのでとりあえずこの状態で試してみる事にしました。
最初にすべきは日本語化とキーボードの設定変更が必要です。(インストール途中ではこれが出来ない)
その後、デスクトップにある専用アプリを起動してGoogle Playのアクティベート(使用開始)を実行します。(G-MailのIDとパスワード入力でOK)
すると、見慣れたGoogle Playストアが現れて、色々なアプリをインストールする事が出来ます。
ですが…私のThinkPadではグラフィック性能を必要とするようなゲーム系のアプリではインストールは出来ても起動すらしないというものがありました。(当然ですね)
つまり、ブラウザやメール、Google Mapくらいは出来ても”モン○ト”や”パ○ドラ”はダメって事ですね。
※もちろん全てのアプリを試したわけではありません。動くゲームアプリもあったかも?
しかしながら私の評価ではRemix OSは全く実用レベルを満たしていません。
ある程度マニアな私ですらクリーンインストールが困難で、インストール可能なアプリが動作する確証もないのですから、一般の人にお勧めできる筈もありません。
きっと親和性の高い機種もあるのでしょうが、手元の古くなって最新Windowsが使えないという事で代替OSを探している人には現時点で不向きと判断します。
余談ですが、Remix OSはAndroid OSですが、基本的にLinuxの1つに過ぎません。
それが、うまく動かないという事はまだ開発が行き届いていない事を物語っています。
ひょっとすると最新のPCなどでは問題なく動くかも知れませんが、最新のパソコンを買ってAndroid OSを使いたいかと聞かれると微妙ですよね。
これからの旧型パソコン救済の為のインストーラの改善に期待したいと思います。
さて、本日2つめのご紹介OSは”ZORIN OS (Linux)”です。
この名前を最初見たとき”NORIN OS”? 農水省専用のOS?とか思ったものですが、完全に見間違い。
”ZORIN”は”ゾーリン”と発音するのが正しく、Ubuntu (Linux)の流れを汲むフレーバーOSと呼ばれる派生版の1つです。
本家Ubuntu Linuxも優れたOSですが、独自のデスクトップ環境に疾るあまり、いささか重量級のOSとなってしまった為に旧型のパソコンを活用する為のWindows代替OSとしては適さなくなっており、それを救済するのが軽量級のUbuntuフレーバーの役割です。
ZORIN OSの最新は昨年11月28日にリリースされたバージョン”12”が最新で、旧バージョンではWindowsで言うところの『スタート』ボタンを押した時の表示がイマイチで個人的にはNGだったのですが、最新では見事に改善されていました。
インストーラもUbuntuシリーズ固有のクセもありますが、概ね解りやすい部類でした。
何よりも、先にご紹介したRemix OSでは何度やっても起動できなかったあのHDDを使っても問題なくインストールができた事は一流の証です。
ZORIN OSは基本部分こそUbuntuを使っていますが、見た目がかなり独創的でこれ自体が全く新しいOSを目指している意気込みが伝わってきます。
※開発者のArtyom Zorin氏はアイルランド出身の方だそうです。
さて、無事にインストールが終わったZORIN OSですが、Ubuntuのインストーラがベースなのでインストール時に『日本語環境』で使う事を選んでおくとデスクトップに現れるメニューやアプリケーションの殆どが日本語表示されるので、とても分かり易いのですが『日本語入力』だけは設定する必要があります。
この辺りの設定については他の方のホームページが詳しいのでそちらをご参考になさって頂ければと思いますが、従来のバージョンでは日本語化の難易度が高かった様子が分かります。
でも最新のバージョン”12”のコア版では”Google日本語入力”のLinux版”Mozc”がすんなりと設定でき、日本語の入力で不便な思いをする事はありませんでした。(いいね👍 )
素晴らしいのはLinuxではスタンダードとなっているOFFICEソフト”Libre Office”やその他諸々のユーティリティソフトが標準でインストールされており、よほどこだわりが無い限りは追加でインストールするアプリは無いのでは?と思うくらいの充実ぶりですが、それでもHDDの占有量は7GBにしかなっておらず、今回使った500GBのHDDはガラ空き状態です。
これならHDD容量が50GB程度しかない古いパソコンでも十分に使えそうです。
試しにこのZORIN OSが入ったThinkPadを県の職員の方に触って頂いたところ「十分な反応速度で必要なソフトも揃っていて良いと思う」とのコメントを頂きました。
しかし、仕事で使うパソコンとしては未だにJustsystemの『一太郎』のデータで送られてくる文書ファイルがある為に「まだWindowsでなければ使えないソフトがあるのでOSを入れ替えると言うところまでは行けそうにない」とも仰っていました。
そうですね、お役所では昔の名残りから未だに『一太郎』をお使いの事が多いです。
日本的な文書作成に適した国産のワープロソフトが必要だった時代の救世主的存在だった『一太郎』や『桐(データベースソフト)』 の遺産が官公庁にはまだまだ残っていて、それが未だに捨てきれていないので、それらが動作する環境が無いとダメなんです。
そういう訳で、お役所勤めの人が使うにはちょっと要件をクリアするのは無理そうですが、個人ユースでは問題ないと思いますので、これはオススメです。
このお正月の3日間、このZORIN OSを色々といじってみましたが問題となるような箇所はあまり見受けられませんでした。
と言うわけで、誠に勝手ながら今年のオススメOSは『ZORIN OS』と致します。
ここまで完成度の高いオリジナリティ溢れるデスクトップ環境のインターフェースを作り込んだ仕上がりはまさにWindowsでもMacでもない”ZORIN OS”と言えるでしょう。
私のオススメは今年の4月10日にサポート切れとなる WindowsVistaの代替OSとしての導入です。これまでLinuxの導入を迷っておられた方も是非この機会にトライして見てはいかがでしょうか?
※ダウンロードは上記の画像をクリックして下さい。
それでは今年もソーヨーピーシーをどうぞよろしくお願いいたします。
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