先日、あるお客様から東芝のdynabookがおかしいとお電話があって早速拝見してきました。
なんでも、Windows10の起動時にパスワードを入力しようとしたら勝手に“●●●●…”となってしまい、どうやらキーボードが誤動作しているようです。
その為、一度キーボードで何か押すとなぜか4の文字がひたすらとされた事になってしまうようなのです。
オーナーさんは初めての事にかなり戸惑っておられるようで「いやー、いつも大事に使ってるのに今朝から急にこんな調子で困っちゃったよ」と仰ってます。
最初は水をかけちゃったり、乱暴にキーを叩いたりしたのかな?なんて疑ってましたが、失礼しました。
m(_ _)m
さて、では何が原因なのでしょう?
問題の切り分けの為に…と持参したUSBキーボードを差して再起動してみると、今度はちゃんとパスワード入力が出来ました。
という事はやはり標準装備のキーボードが故障しているとしか考えられません。
表面的に破損箇所や付着物も見られないので、このままでは手の施しようがありません。
キーボードの回路を確認するには分解するしかないのですが、そもそもこの機種はそういう事に対応しているのでしょうか?(それが気になる)
取り敢えず1日預かり、ネット情報を片っ端から調べてみることにしました。
そして、調べてみると…ありましたありました。
同型機種の修理の為に分解した猛者の動画やブログを見てビックリ。
メーカー純正パーツとしての新品キーボードはネットで1,500円程で売られていて結構リーズナブルな感じがしますが、さて交換作業は…というと多数のサイズのネジやら、か細い専用コネクタ類を全て外し、全てのパーツを取り去った最後に現れるキーボードは何とプラスチックで『焼き留め』されているとの事。
しかも数十箇所も…です。
外すにはニッパーか何かでひたすら切り取っていくしか無いのです。
そして、新品のキーボードを取り付けるには接着剤でくっつけて、固まったら取り去ったすべてのパーツを元通りに取り付けていく事になりますが、こんな気の遠くなるような作業をこなせる人などいるのか?と思えるほどの作業量です。
つまり、この機種は基本的に使い捨ての思想で作られているという事でしょう。
なのに何故かリペアパーツだけは流通している・・・?
よくわかりませんね。
ひょっとするとこれは私の偏見かも知れませんが、こうした事は東芝の製品には多い様な気がしています。(昔購入したLibrettoという機種も本体の分解がほぼ不可でした)
そして、もう一つ東芝製品に対する不信というが湧いた事がありました。
それはいつも立ち寄るハードオフの中古ノートパソコンが陳列してあるガラスケースにとても高そうな感じのダイナブックが2台ありまして、それがなんと『ジャンク』扱いで1台15,800円というお値段。
この2台の値札には但し書きが付いていて『キーボード一部反応しません』とあります。
「え?2台とも?」と思いましたが、どうやら嘘ではない様子。
つまり、この同型の2台はどちらもキーボードが壊れているというのです。
いつも言うように私はアイソレーション型のキーボードは嫌いですが、それが更に耐久性に乏しいという事になると由々しき問題です。
メーカーはこの耐久性の低さをどう考えているのでしょうか?
同じ時期、この店とは離れた場所にあるハードオフでもキーボードが故障しているノートPCを発見しました。(ちなみにこちらもアイソレーション型キーボード)
こちらはNECのLavieです。
Core i5を搭載しているというのにキーボードが故障しているという事で『ジャンク』になっていました。
調べてみるとこちらの機種もリペアパーツはネットで安価に手に入り、しかも修理は比較的簡単です。
修理用パーツのキーボードが高いものでも2,000円以内であればジャンク品として値が下がっているこのLavieは本当にお買い得と言えます。
このように、メーカーの思想によって採用されているパーツの構造や耐久性に違いが出る事に加えて修理対応の容易さについても考慮されて設計されているかどうかというのが大きな違いとなって現れてきます。
今回は東芝製のダイナブックがこのように残念な障害を引き起こしてしまいましたが、保証期間も切れてしまっているこの機種をメーカー修理に出せば100%有償で2~3万円かかる上に1週間~10日の期間がかかる事は必至。
この場合、ユーザーさんの選択肢は以下の3つです。
- おとなしくメーカーに修理を依頼する。
- 難易度(リスク)の高さを承知の上で私に修理を依頼する。
- 全く別の対策を考える(例えば外付キーボードを使う等)。
お客様にこの選択肢についてお話したところ、3の方法で安価にできないか?との事。
そこで私はロジクールのワイヤレスフルキーボードを付けて使う事をご提案しました。
ノートパソコンに更にキーボードを付けるのは正直違和感のある使い方でしょうが、少なくとも比較的コンパクトながらフルキーボードの使いやすさとキータッチの良さを考えるとこのチョイスはかなり良いと思います。
皆さんもお使いの愛機がこんなキーボードトラブルに見舞われた時、メーカー修理だけが解決法だと思わずに『修理部品を購入してDIY修理』又は『外付けキーボード』という方法もあるという事を思い出して頂ければと思います。
ちなみにこのお客様、後日訪問して調子をお尋ねしたら「キーボードの操作にストレスが無くなってとてもいいですよ!」との事。
よかった!
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