大変久し振りの投稿になります。
今回は『ThinkPadのベタベタに困ったら』というお話です。
ThinkPadと言えばおのずと知れたレノボのビジネス向けノートパソコンシリーズですが、元々はIBMの製品でした。
生産コストを下げる為か、IBMから中国のレノボに生産が移管されて今に至るパソコンですが、初号機の規格開発から日本の旧日本IBM 大和研究所が中心となって開発が続けられてきた日本にゆかりの深い製品です。
ThinkPadの特徴は何といっても漆黒のボディに赤いトラックポインタですが、このおかげでマウス不要の操作性と堅牢さが買われて国際宇宙ステーションに持ち込まれているのは『ThinkPad』オンリーという頼もしさ。
実際私もかなり古い機種からのThinkPad愛用者でこのトラックポインタ■●■に一旦馴れると文書作成や表計算などの入力がキーボードから手を放さずに出来る為、とても作業がはかどります。
さて、その愛すべきThinkPadですが、その特徴である黒いボディが時に残念な事になってしまう事があります。
それは、ThinkPadの液晶バックカバーがピーチスキン塗装という高級な塗装がアダとなって経年劣化により『加水分解』を引き起こした結果、ベタベタに変質するという症状。
※ThinkPadの全ての機種でこれが起こるわけではありません。
↓以下は当店の在庫品として仕入れたThinkPad Edge E530c
手前はこんなに綺麗でまともなのにいつの間にか・・・
液晶のバックカバーはベトベトで拭き取り不可。ホコリが付着して取れなくなる。
こうなってしまうともう手が付けられません。
まず水拭きを試しますが、ダメでした。
使った雑巾の繊維がベタベタにくっついてしまい、かえって大変な事になってしまいました。(*_*)
次に試したのはアルコールを含むウェットタオル。
残念ながらこれも表面が濡れるだけで肝心のベタベタは全く取れませんでした。
かくしてネット情報をあまねく調べ倒してこの問題を解決した先駆者はいないのかと探しましたがたどり着くのはシンナー系の有機溶剤を使った塗膜の除去。
シンナーは基本的にプラスチックを溶かすので濃度には要注意。
使う場合はプラモデル用の『塗料うすめ液』を使うのがせいぜいかなという結論です。
それが昨年の10月。
家電量販店のプラモデル売り場にあった『塗料うすめ液』を買って『ベタベタ除去』を試みましたがなかなか落ちず、シンナー臭いわゴシゴシで手は疲れるわで10㎠ほど除去した所でギブアップ。
それからほどなく仕事が忙しくなったので暖かくなるまで放置してあったのですが、最近になって「ThinkPadの中古はありませんか?」とお客様から引き合いがありそろそろ本気を出して何とかせねば!という事で今度はホームセンターの塗料売り場を物色。
「ベタベタだからシール剥がし剤が効くのでは?」と思ったのでした。
そして、その売り場の付近で運命的な出会いを果たします。
それが『HALTの業務用マルチクリーナー』という製品でした。
100mlなら1,000円前後だし『ものは試し』とあまり期待せずに買って帰り、ベタベタのThinkPadにシュッシュと吹きかけて綺麗な雑巾でゴシゴシ…やはり駄目かと諦めかけた時、多めに液を付けて少し放置した後にゴシゴシすると心なしかベタベタが取れたような気がしてどんどん続けると「取れた~~~!」と思わず叫んでいました。
まぁ、シュッシュすると一気に取れる訳では無いのですがベタベタ成分の分子をこの業務用クリーナーの成分が構造を変化させるのでしょう。
結果は右の写真のとおり。
但し、塗装が取り除かれたら黒のプラスチックの『地』が剥き出しの状態です。
当店はパソコン修理店でありちょっとしたチャレンジャーでもあるので、このThinkPadはこの後『艶消し黒』で塗装するつもりでいます。
それが出来たらまたレポートしますのでお楽しみに。
↑¥1,073が正解
私が購入したのは一番左の100㎖タイプですが、他にもサイズは豊富にあるようです。
業務で使う場合(ある?)は多めに購入して詰め替えても良いかも知れません。
もしお困りなら是非ポチって下さい。失望させませんョ!
ご覧の通り、ベタベタの加水分解した塗装は全て綺麗に除去する事ができました。
この『HALTの業務用マルチクリーナー』はアメリカ海軍も使っているとの事で洗浄性能はお墨付き。何といっても『植物性洗浄剤』なのにこの洗浄力は驚きです。
生分解性90%以上とか書いてあって確かに除去したベトベトは雑巾に剥がし取られた筈なのに雑巾にベタベタは全く残ってなくて水洗いでさっと流れてしまいました。
これ、ThinkPadあるある…のお悩みだと思いましたので企業秘密にはせず公開する事にしました。(ましてステマでもありません)
パソコン本体としては全然問題ないのにベタベタが嫌だから買い替えたいと思っている方は一度試してみてもよろしいかと思います。
100mlでThinkPad1台分のベタベタ除去には十分足ります。